手描き檜扇 「天の岩戸開き」 Bタイプ
1,450,000円
― 閉ざされた岩戸に、光は再び ―
この檜扇は、祈りのかたちである。
混沌に沈む世界では、善と悪、美と醜、生と死の境界が溶けていきます。
そのとき、人は無意識のうちに、自らの心に岩戸を築くのかもしれません。
かつて天照大神が地上の穢れを憂い、天の岩戸に籠もられたように。
この檜扇は、その神話を静かに象った宗教的オブジェです。
それは単なる装飾ではなく、空間に「聖と俗」の境界を結ぶ、結界の道具。
扇の開閉という行為は、内と外、生と死、闇と光のあわいを指し示す聖なる構造(sacred geometry)でもあります。
表面には「天の岩戸開き」を、裏面には老翁の仮面――白翁面を描きました。
それは智恵と老成をたたえる象徴であり、
祝祭と鎮魂、そして再生と目覚めのしるしです。
素材には、日本の山々から得た檜を用い、
制作は京都に伝わる手業によって一つずつ祈るように仕立てられました。
とのこ台は、地を静かに鎮める基壇として、まるで神籬(ひもろぎ)のように扇を支えます。
檜扇は、目に見えぬものに秩序を与え、空間に精神を宿す現代の祭具です。
そしてこれは、あらゆる人の内にある岩戸に、再び光を呼び戻すための「まじない」であり、
見えざる世界とつながるための美の形式(form of the sacred)でもあります。
【素材と仕様】
■サイズ
・扇(閉じた状態):約33cm
・扇(開いた状態):約61cm
・とのこ台:約9.5×18cm/高さ約14.5cm
■素材・仕立て
・檜(日本産)、日本顔料使用
・京都職人による手仕立て
■色柄
・表面:「天の岩戸開き」モチーフ
・裏面:「白翁面」モチーフ
■セット内容
檜扇・絹房・松飾り・とのこ台・桐箱(日本産桐・京都製造)
※一点ずつ手描きのため風合いが異なります。
※手作業仕立てのため、金銀箔の仕上がりは写真と多少異なる場合があります。
在庫あり